③資料③・先を見る

30年先の山と、わが家の負担

21基全体の更新時期、毎月の負担、資産価値を考える補足資料です。

Churis Garden Shonan Nobi / Elevator Renewal / v11.3 Discussion Supplement

21基全体で見る、
更新時期の山と将来負担

A 油圧延命(JES)B 一括ロープ式化C 段階ロープ式化2026→2057

完全比較資料(v9.1)で今回の工事費を確認したあとに、マンション全体21基の「次の更新がいつ・どれだけ重なるか」と「各世帯の毎月の負担がどう変わるか」を議論するための補足資料です。

Answer
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Page 01

まず事実の確認:期限が迫っているのは7基

2027年末 供給終了21基・410世帯

三菱製の油圧式は14基ですが、2027年12月末で一部保守部品の供給が終わるのはそのうち7基です(JES回答・三菱見積の両方で一致)。残る7基は竣工が新しく、今回の期限の対象ではありません。

三菱・油圧/2027年末 供給終了7基C1×2・C2×2・W6(1991年4月)/W1・W2(1992年1月)
三菱・油圧/今回の期限外7基E1・E2(1994年9月)/C3×2・C4×3(1999年3月)
OTIS・ロープ式(既存)7基C5×2・C6・C7・E3・W3・W4(2007年竣工・仮置き)
いまの計算条件 OTISの見積で計算 C案の残り7基は2032年 将来の見通し:標準
1どの会社の金額で計算しますか?

ロープ式化(B案・C案)の工事費と保守料に使う金額です。A案(JES)は常にJESの見積です。

2段階案(C案)で、残りの7基をいつロープ式にしますか?

期限の7基は2027年に工事します。残りの7基(E1・E2・C3・C4)は、それまで今の油圧式のまま使います。

2032年
2028 早め20352042 遅め
3将来をどう見積もりますか?

設備の寿命や工事費の値上がりは誰にも確定できません。3つの見方から選べます。

見通しを細かく調整する(6項目)
油圧リニューアルは何年もちますか?22年
短い 15年長い 30年
A案で、再びまとめて更新が必要になるまでの年数。標準22年=寿命目安20〜25年の中間。
ロープ式は何年もちますか?33年
短い 25年長い 40年
ロープ式に替えた後、次の更新までの年数。既存OTIS 7基にも同じ年数を使います。
既存のOTIS 7基はいつ更新しますか?2042年
早い 2037年遅い 2050年
2007年竣工(仮)。30〜40年目の2037〜2047年が検討の目安。
工事費は毎年どれだけ上がりますか?2.0%
上がらない 0%大きく上がる 6%
参考:三菱の同じ工事は2018→2026年で約2.5倍(年約12%)でした。
油圧式の想定外の修理費はいくら?5,000万円
なし1億円
保守契約の対象外になる修理への備え(14基・油圧式で使う期間の合計)。
ロープ式で電気代はどれだけ減りますか?36%
減らない70%減
OTISは36%、三菱は65%減と説明。油圧式の電気代は1台月1万円と仮置き。
Page 02 / Most Important

21基全体の更新カレンダー(2026→2057)

山の高さ=工事費ロープ式油圧式

帯は各グループが「油圧式/ロープ式」のどちらで動いているか、その下の山は工事費の大きさです。3つの案で山の位置と高さを見比べてください。

油圧式で稼働ロープ式で稼働三菱14基の工事(山)既存OTIS 7基の工事(山)OTIS 7基の更新検討帯(2037〜2047)
「最も重い10年間」は、連続する10年間の工事費合計の最大値です(物価上昇を反映した税込額、保守・電気代は含みません)。
Page 03 / D

コスト逆転ポイント:安い案はいつ高くなるか

逆転
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累積コストの推移(税込・工事費+保守+電気+契約外修繕)

Page 04 / C

コスト内訳:どこにお金がかかるのか

2027〜2057年・31年間

31年間の総額を、今回の工事費・保守費・修繕費(契約外)・電気代、そして将来の更新工事に分けました。期間外(2058年以降)の更新は含めていません。

Page 05 / B

わが家の毎月の負担は、いつ・いくら変わる?

時期で変わる今の管理費との比較

工事費は一度に払うのではなく、借入の返済や将来に向けた積立として、毎月の支払いに少しずつ上乗せされます。保守費と電気代は管理費、工事費は修繕積立金から出るのが一般的です。その合計が「今よりいくら増えるか」を、年ごとに計算しました。

いまの毎月の管理費
円/月(税込)。増える金額が何%にあたるかを出すのに使います。
わが家の負担割合1.00(平均)
多くのマンションでは専有面積の割合で負担します。「わが家の管理費 ÷ 全戸平均の管理費」が目安です。
今回の工事費の払い方
住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資を想定。
借入・積立の前提を調整する
返済期間10年
借入金利(年)2.0%
仮置き。最新金利は住宅金融支援機構で確認。
長期修繕計画で見込み済みの額5,080万円
今回の工事費のうち、すでに積立計画に入っている分。
既存OTIS 7基の積立も含める
3案に共通の負担です。含めないと案ごとの差だけが見えます。

1世帯あたり、毎月いくら増えるか(年ごとの推移)

何が増えているのか(内訳)

計算方法:①今回の工事費から「見込み済みの額」を引いた分を借入し、元利均等で返済。②将来の更新工事(再更新・残り7基・既存OTIS 7基・ロープ式の次の更新)は、工事の年までに均等に積み立てる。③保守費・電気代・想定外修理費は、今の油圧式(保守 月27,830円・電気代 月1万円/台)との差額。①〜③の合計を410世帯で割り、負担割合を掛けています。
Page 06 / 按分

棟ごとに見る:2つの分け方で負担はどう変わる?

総会の論点15棟・21基・410世帯

同じ工事費でも、どう分けるかで各世帯の負担は大きく変わります。まだどちらにするかは決めていません。2つの方法を並べて、みんなで比べるための表です。

方法A

全世帯で均等に分ける

「エレベーターは共用設備。全員で等しく負担する」という考え方。どの棟の世帯も同じ金額です。

方法B

自分の棟のエレベーター分を、自分の棟で負担する

「各棟のエレベーターの費用を、その棟の世帯で分ける」という考え方。基数が多く世帯が少ない棟ほど重くなります。

どの案で比べますか?
どの金額で比べますか?
方法A 全世帯均等—
方法B いちばん重い棟—
方法B いちばん軽い棟—

方法A方法B方法Bの金額:赤=方法Aより重い/緑=軽い
計算方法:Page 05と同じ内訳(借入返済・将来工事の積立・保守と電気代の増減)を、方法Aは410世帯で、方法Bは各棟の基数分を棟の世帯数で割っています。同じグループ(期限の7基・残りの7基・既存OTIS 7基)の中では、1基あたりの費用を同額としています。上の「わが家の負担割合」と「既存OTIS 7基の積立を含めるか」もここに反映されます。実際の負担は管理規約の定め(専有面積の割合など)によります。
Page 07 / 資産価値

金額だけで決めないために:資産価値の視点

住まい方で見え方が変わる一般論+チュリスの場合

マンションの値段は「立地・築年数」だけでなく、「管理の状態」で大きく変わります。買う人や銀行は、修繕積立金の水準、長期修繕計画、一時金の予定、設備の安全性を見て判断します。エレベーターの選び方は、毎月の負担だけでなく、この資産価値にも関わります。

1. あなたの住まい方はどれに近いですか?

このマンションを持っている(住む)予定
31年
3年15年31年(2057年)

2. 資産価値を見るときの一般的な視点

視点買う人・銀行が見ていることチュリスで確認したいこと
修繕積立金の水準国のガイドラインの目安と比べて低すぎないか。低すぎると「将来の値上げ・一時金」の心配として見られる下の3で、わが家の積立金を目安と比べる
長期修繕計画30年以上の計画があり、5年ごとに見直されているか。大きな工事の山と、その資金の手当てが書かれているかエレベーターの方針(A・B・C)を計画に反映できているか
積立金の残高と不足計画に対して積立が足りているか。足りない分を一時金や借入でまかなう予定があるか残高と、エレベーター予算5,080万円との差
滞納・総会の運営管理費の滞納が少ないか、総会が毎年開かれ、決めるべきことを決められているか今回の決定そのものが「決められる管理組合」の実績になる
第三者の評価国の「管理計画認定」や、業界団体の「マンション管理適正評価(星の数)」。不動産サイトにも表示される認定・評価の取得を検討する

3. 見逃しがちな、でも大事な点

安全基準を満たしていない設備

油圧のまま延命すると、戸が開いたまま動く事故を防ぐ装置や耐震基準が「既存不適格」のまま残ります。違法ではありませんが、買う人や高齢の家族を持つ人には気になる点です。

一時金・急な値上げの予定

売るときには、管理組合の予定(一時金の徴収や積立金の値上げ)が買う人に伝わります。予定が大きいほど、値下げ交渉の材料になります。借入や計画的な積立で「急な負担」をなくすことが大切です。

積立金が安いのは良いことではない

国は2024年に、段階的に値上げする場合でも「最初は平均の0.6倍以上、最後は1.1倍以内」に抑える考え方を示しました。今安くても、急な値上げが控えていると評価は下がります。

買う人のローンが組みやすいか

国の管理計画認定を受けると、買う人のフラット35の金利が下がります。買う人が借りやすい=売りやすいマンションになります。

工事中の暮らし(高齢の方)

ロープ式への工事は1台35〜50日、終日止まります。4〜5階に住む高齢の方には大きな負担です。階段の手すり、買い物の手伝いなど、工事中の支えを計画に入れることも「住み続けられる価値」です。

棟ごとの差と、決められる力

15棟あるチュリスでは、分け方によって特定の棟の負担が重くなり、その棟が売りにくくなる心配があります(Page 06)。2026年4月施行の改正区分所有法で、総会の決め方も変わりました。

  • 欠席者が反対扱いされなくなった:大事な決議は「出席者の4分の3」で決まります
  • 規約の見直しが必要:改正法に合わない規約の定めは効力を失います
  • 改良工事にも積立金を使える:ロープ式化のように性能を高める工事も対象と明確化

4. わが家の修繕積立金を、国の目安と比べる

わが家の専有面積70㎡
登記簿や売買契約書に書かれた面積
いまの修繕積立金(月)
わからない場合は空欄のままで、目安だけ表示されます
建物の規模(延床面積)
チュリス全体の延床面積は要確認(仮に20,000㎡以上)
国の目安(平均)—
いまの積立金—
エレベーター分を足すと(Page 05・31年平均)—

目安は国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(2024年6月改定)の、20階未満・機械式駐車場を除く値です。計画期間全体の平均額の目安で、エレベーター更新を含む長期修繕計画全体の費用をまかなう水準です。

Page 08 / New

増える負担を、マンションの収益で相殺できるか

初期費用0円の仕組み試算・要検討

増える金額を、空いている土地や駐車場、住民の力を活かした収益で少しでも埋められないか。どの案の負担を相殺するかを選んで、各仕組みの規模を動かしてみてください。

相殺したい額(31年平均・1世帯あたり)—
仕組みで生まれる額(1世帯あたり)—
それでも残る負担(1世帯あたり)—
0%

管理組合の収入

① 地域に開いたカーシェア

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事業者が車両・看板・運営費を負担し、管理組合は区画の賃料を受け取る形。賃料は周辺の月極相場から事業者が提示。マンションではセキュリティエリアの外に置くことが条件です。

管理組合の収入

② 空き区画の外部貸し(地下駐車場など)

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住人専用カーシェアでマイカーを手放す世帯が増えれば、空いた区画をここに回せます。住人専用カーシェア自体は、収益よりも住民の車の維持費を減らす仕組みです。

管理組合の支出削減住民の収入

③ 植栽剪定・清掃を住民の仕事に

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住民には外注費の7割を支払う前提。差額の3割が管理組合の削減分、7割が住民(年金暮らしの方も含む)の収入になります。外注費は要確認の仮置きです。

管理組合の収入住民の収入

④ 住民どうしのスキルマーケット

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希望者だけが参加し、得意なことを住民どうしで頼み合う仕組み。管理組合の収入は小さく、主な価値は住民の収入とつながりです。

税金などを引いた手取りの割合 75%
組合員以外への駐車場の貸し出しや仲介手数料は、法人税の対象になる「収益事業」にあたる場合があります。①②④に適用。
導入には総会での決議が必要です(共用部分の使い方を変える内容によっては特別決議)。外部貸しの課税範囲、スキルマーケットでの契約形態(雇用ではなく業務委託にするか)・保険・手数料の取り方は、税理士やマンション管理士への確認が必要です。
Page 09

判断軸別の見え方

◎ 強い ○ 普通 △ 弱い
判断軸A 油圧延命(JES)B 一括ロープ式化C 段階ロープ式化読み方
今回の費用を抑える◎約1.55億円△約3.0〜3.3億円○今回は約1.5〜1.6億円C案は今回の支出をA案並みに抑えられる
2027年末の期限◎1台約9日△14基を年内は困難○7基に集中できる三菱の工程でも7基の完了は2028年1月頃
20〜30年後の山△14基の再更新が来る◎次の山を先送り◎山を2つに分散この資料の中心論点
毎月の負担の安定△再更新に向けた積立が重い○最初の返済期間が重い○残り7基の積立期間が重いPage 05で年ごとに確認
安全基準・既存不適格△戸開走行保護・耐震は残る◎解消○順次解消説明時に隠さない項目
資産価値(売るとき)△既存不適格と将来の山が残る◎安全基準を満たし山を先送り○順次満たすPage 07で住まい方別に確認
工事中の生活影響◎1台約9日△1台35〜50日△1台35〜50日を2回に分けてロープ式は1か月以上止まる
C案の分割発注は、一括発注より値引きが小さくなる可能性があります。本資料では一括見積の棟別単価で仮置きしています。
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次に確認すること

期限:2026年12月
段階案(期限の7基だけ先に工事)の見積を、OTIS・三菱の両社に依頼する
修繕積立金の残高と、長期修繕計画に入っているエレベーター予算を確認する
管理規約の按分方法(全世帯均等・棟ごと・専有面積割合)を確認し、方法A・Bのどちらで議論するか理事会で決める
植栽・清掃の外注費と、空き駐車場の数を確認する
カーシェア事業者に、セキュリティエリア外の候補地での導入可否と賃料を問い合わせる
既存OTIS 7基の竣工年と更新時期の目安、JESの再更新時期の目安を確認する
長期修繕計画にエレベーターの方針を反映し、管理計画認定・マンション管理適正評価の取得を検討する(横須賀市の受付状況も確認)
2026年4月の区分所有法改正に合わせて、管理規約の見直しが必要か管理会社に確認する

この資料での結論

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2026年4月1日 施行

改正区分所有法で、何が変わったの?

マンションの建物の高齢化と、住む人の高齢化(「2つの老い」)で、総会で物事を決めにくくなっていることを受けた改正です。エレベーターの件に関係する点を中心にまとめました。

1

欠席者が「反対」扱いされなくなった

規約の変更や共用部分の変更などの大事な決議(特別決議)は、これまで「全組合員の4分の3以上」の賛成が必要でした。総会に来ない人も母数に入るため、実質的に反対票と同じでした。改正後は「総会に出席した組合員の4分の3以上」で決まります。

これまで10人中5人が賛成賛成50% → 否決
→
改正後出席6人中5人が賛成賛成83% → 可決

書面や代理人で投票した人も「出席」に数えます。

2

その代わり、総会が成り立つ条件が決まった

大事な決議をする総会は、組合員の過半数、かつ議決権の過半数が出席(書面・代理を含む)しないと成り立ちません。半数ちょうどでは足りません。

3

連絡が取れない所有者を、数から外せる

所在がわからない所有者がいると、これまでは反対と同じ扱いでした。改正後は、裁判所の決定を経れば、決議の数から外せます。

4

安全やバリアフリーのための工事は「3分の2」で決められる

耐震性の不足、火災への安全性の不足、外壁が落ちるおそれ、配管の腐食、バリアフリー化のための変更は、出席者の4分の3から3分の2に緩和されました。

エレベーターの更新がこれにあたるかは工事内容によるため、管理会社への確認が必要です。

5

改良工事にも修繕積立金を使えると明確に

国の標準管理規約で、建物や設備の性能を新築時より高める「改良」工事にも修繕積立金を使えることがはっきりしました。油圧式からロープ式への変更は、この「改良」にあたります。借入の返済に積立金を充てられることも定められています。

6

総会の知らせ方も変わった

総会の案内には、すべての議案について「議案の要領」(賛否を判断できる程度の要約)を書くことになりました。急ぎの総会でも、案内は最短1週間前まで(これまでは5日)に出す必要があります。

7

役員の負担を軽くする仕組み

理事が理事会に出られないとき、配偶者や一親等の親族を「職務代行者」として出席させる考え方が示されました(規約で定めた場合)。

チュリスで必要なこと

管理規約の見直し:改正法に合わない規約の定めは、2026年4月1日以降、効力を失っています。エレベーターの決議の前に、規約が改正法に合っているかを管理会社に確認しましょう。

決議の種類の確認:エレベーターの工事が「普通決議」と「特別決議」のどちらにあたるか、ロープ式化で昇降路のはつりを伴う場合の扱い、15棟の団地型として棟ごとの決議が必要か、を確認する必要があります。

出典:国土交通省「令和7年マンション標準管理規約改正」資料(2025年10月)ほか。法律の解釈は管理規約や個別の事情で変わるため、最終的にはマンション管理士・弁護士にご確認ください。